カーボンニュートラルLPガス導入事例 ハイリマレリ岩手株式会社様
LPガスのCO2を実質ゼロに!地域と共に歩むサステナブルな企業へ
ハイリマレリ岩手株式会社様がカーボンニュートラルLPガス(以下「CNLPガス」)を導入された背景や、その供給を担うカメイ株式会社様の取り組みについてお話を伺いました。このインタビューを通じて、カーボンニュートラル(CN)時代に向けた現場の高い意識と、自社目標の達成に向けた熱意を感じることができました。
ハイリマレリ岩手株式会社様について
HP:https://jp.highly-marelli.com/product/73.html
ハイリマレリ岩手株式会社(以下「ハイリマレリ岩手」)様は、日本の大手自動車部品メーカーであるハイリマレリジャパン株式会社のグループ会社であり、岩手県北上市和賀町に本社を構えていらっしゃる企業です。時計部品の製造を祖業とし、1985年から自動車用コンプレッサー(エアコンガスを圧縮・循環させる自動車部品)の生産を開始されました。主要製品であるコンプレッサーは、2025年2月時点で累計3,700万台以上を製造されています。同社が手掛ける製品は、高い技術力による精密な組み立てが特長であり、コンパクトな設計は多様化する車両デザインを損なうことなく収まることから、多くの日本メーカーに採用され、国内軽自動車市場ではシェア60%を超えるなど、自動車業界を支えていらっしゃいます。また、同社はISO14001(環境マネジメントシステムの国際規格)やISO45001(労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格)、IATF16949(自動車産業の品質マネジメントシステムの国際規格)を取得されており、環境対応だけでなく労働環境や製品品質の維持向上にも力を注いでいらっしゃいます。

カメイ株式会社様について
カメイ株式会社(以下「カメイ」)様は、東北地方を代表する総合商社として、LPガスをはじめ、エネルギー、食料、建設関連、自動車関連、海外貿易、ペット関連、ファーマシーなど、地域社会や暮らしを支える事業を多岐にわたって展開しており、「くらしの中に未来をひらく」というスローガンのもと、地域との共生を大切にされています。
産業用燃料やLPガスの取扱量では東北地方でトップクラスの実績を誇り、1955年のLPガス販売開始から現在に至るまで、長きに亘り業界の成長を牽引されています。また、2023年には創業120周年を迎えられ、これまで築いてこられたお客様からの信頼と実績を基盤に、持続可能な社会の実現に向けた新たな挑戦にも意欲的に取り組まれています。

ハイリマレリ岩手株式会社様がCNLPガスを知ったきっかけ
ハイリマレリ岩手様は、省エネ法の第二種エネルギー管理指定工場に該当することから、これまでも、省エネルギーの推進やグリーン電力の導入等を通じて、省エネやCO2排出削減に積極的に取り組んでいらっしゃいました。こうした中、岩手県では2023年3月に掲げた「第二次岩手県地球温暖化対策実行計画」で、2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で57%削減するという、国の目標値(46%)を超える高い目標が設定されました。同社も地域密着型の企業として岩手県と同様の目標を掲げており、2030年の目標達成に向けて、自社事業におけるCO2排出量削減の取り組みを加速させていく必要がありました。そのような状況の中、GHP(ガスヒートポンプ空調)の熱源としてLPガスを供給しているカメイ様からご提案を受け、CO2削減の新たな選択肢として、「CNLPガス」の存在を認識されました。
ハイリマレリ岩手株式会社様がCNLPガスを導入した決め手
ハイリマレリ岩手様は、カメイ様からの提案に対し、「既存のLPガス設備をそのまま活用できるため、追加投資が不要であること」や、「低コストでCO2削減に取り組めること」といった点を特に高く評価し、CNLPガスの導入を検討されました。そして、両社が長年に亘って培ってきた信頼関係および、カメイ様が日頃から安定的なLPガス供給を行っていることが安心感に繋がり、ハイリマレリ岩手様の衛生委員会での協議を経て、CNLPガスの導入が正式に決定しました。

(写真右)ハイリマレリ岩手株式会社 工場長 松田様
(写真左)カメイ株式会社 岩手支店長 神様
ハイリマレリ岩手株式会社様のCNLPガス導入によるメリットと今後の取り組み
ハイリマレリ岩手様にとって、CNLPガスを導入する一番のメリットは、自社が掲げるCO2削減の目標達成に寄与することです。また、近年、自動車メーカーから、環境対応やCO2削減の計画についてヒアリングを受けることがあるとのことで、CNLPガスの活用がそのようなメーカーからの評価にも繋がるものと期待されています。
ハイリマレリ岩手工場長の松田様は、CO2削減目標の達成に向け、さらなる省エネルギーやCO2排出削減に繋がるエネルギー選択などを積極的に推進していく、とおっしゃっており、将来は非化石エネルギーへ転換し、CO2排出量「0」を目指す、との決意を伺いました。また、今後、自社内の取り組みをハイリマレリグループ内で共有することで、同グループ全体のCO2削減活動にも貢献していきたい、ともおっしゃっていました。
カメイ株式会社様の取り組み
カメイ様では、エネルギーやインフラ分野を軸とした「脱炭素への取り組み」を最優先課題と位置づけ、新たな事業基盤の確立を目指しています。その一環としてCNLPガスの普及に取り組まれており、本社部門に専任者を配置することで、本社と営業所が緊密に連携した営業体制を構築しています。また、液体燃料についても、使用済み食用油や藻類由来樹脂から作られる次世代バイオ燃料「サステオ」の販売を進めています。
北上営業所長の佐藤様は、今回、ハイリマレリ岩手様にCNLPガスをご採用いただいたことを大変光栄なことと受け止めており、今後も様々な提案を通して、カーボンニュートラルに向けた社会の実現に微力ながら貢献していきたい、とおっしゃっています。

(前列右から)ハイリマレリ岩手(株)主管 佐藤様、工場長 松田様、主管 高橋様
(後列右から)同社 鎌田様、佐藤様、カメイ(株)北上営業所長 佐藤様、ホーム事業部係長 小野寺様