研究開発
カーボンニュートラル社会の実現に向け
日々グリーンLPガスの研究開発に取り組んでいます。
当社研究開発の取り組み
研究開発の概要
当社は、カーボンリサイクルLPガスの社会実装を目指し、二酸化炭素(CO₂)と水素(H₂)を原料として、Fischer-Tropsch合成(フィッシャー・トロプシュ合成。以下、「FT合成」※1)を用いたカーボンリサイクルLPガスの研究開発に取り組んでいます。
※1 一酸化炭素(CO)と水素(H₂)からなる合成ガスから炭化水素(LPガス成分を含む)を製造するプロセス。
2022~2024年度の取り組み(NEDO委託事業「カーボンリサイクルLPガス製造技術とプロセスの研究開発」)
【事業概要】
2022~2024年度においては、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業として「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/カーボンリサイクルLPガス製造技術とプロセスの研究開発」(以下、「NEDO委託事業」)を実施しました。このNEDO委託事業においては、以下の3点を主たる研究開発項目としており、各研究開発項目の目標を達成しました。
1.LPガス合成触媒技術開発
2.製造工程の検討
3.社会実装モデルの検討
【実施者】
ENEOSグローブ株式会社、国立大学法人富山大学、日本製鉄株式会社
2025~2026年度の取り組み(NEDO助成事業「カーボンリサイクルLPガスのための触媒実用性向上とプロセスの研究開発」)
【事業概要】
2025年6月からは、新たにNEDO助成事業として「カーボンリサイクルLPガスのための触媒実用性向上とプロセスの研究開発」に取り組んでいます。
本事業では、これまでの研究成果を基に、以下4点の研究開発項目に取り組みます。
1.触媒の性能向上と耐久性の確立
2.触媒の量産化方法の確立
3.触媒反応器と製造プロセスの基本設計
4.ベンチ実証設備建設に向けた計画の立案と国内実証の概略計画の検討
【実施者】
助成事業者:ENEOSグローブ株式会社
共同研究者:国立大学法人富山大学、日本製鉄株式会社
大崎上島研究拠点の研究室紹介
2024年2月に広島県・大崎上島にあるカーボンリサイクル実証研究拠点への試験設備の搬入が完了し、2024年3月より現地での試験を開始しました。
※同拠点では複数の企業や大学がCO₂有効利用技術開発を行っています。
詳細についてはNEDOのカーボンリサイクル実証研究拠点のHPをご参照ください。
https://osakikamijima-carbon-recycling.nedo.go.jp/

日本グリーンLPガス推進協議会について
2021年10月、当社は、アストモスエネルギー株式会社、ジクシス株式会社、株式会社ジャパンガスエナジー、岩谷産業株式会社と共に、一般社団法人「日本グリーンLPガス推進協議会」を設立しました。詳細については日本グリーンLPガス推進協議会のHPをご参照ください。
https://www.j-lpgas.gr.jp/green-lpgas/
カーボンニュートラル政策におけるLPガスの位置づけ
LPガスはその「可搬性」「貯蔵の容易性」という特性から、平時ならびに緊急時の重要なエネルギー源と位置づけられています。
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成⻑戦略(2021年6月 閣議決定)
・LPガスは、2050年時点においても約6割の需要が維持される⾒込み。
・2030年までに合成技術を確⽴し、商用化を実現。
・2050年には需要の全量をグリーンLPガスに代替することを目指す。
第7次エネルギー基本計画(2025年2月 閣議決定)
・温室効果ガス排出が少なく、約4割の家庭に供給される、備蓄・貯蔵が容易な分散型エネルギー。
・災害時には病院や避難所を支える「最後の砦」として機能。
・グリーンLPガスの大量生産に向けて、革新的触媒等の技術開発や生産プロセス実証を進め、2030年代の社会実装を目指す。