研究開発

カーボンニュートラル社会の実現に向け

日々研究開発に取り組んでいます。

当社は、事業のカーボンニュートラル化を加速するため、2022年4月1日付で専任部署(経営企画部カーボンニュートラル推進グループ)を設置しました。当該グループにおいては、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)の委託事業として採択された研究開発プロジェクトにおいて、グリーンLPガスの研究開発に取り組むほか、LPガスの輸入・貯蔵・配送など元売事業のサプライチェーンにおけるカーボンニュートラル化を検討し、推進していきます。

NEDO委託事業「カーボンリサイクルLPガス製造技術とプロセスの研究開発

2022年4月1日付で国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」)の委託事業として採択された研究開発プロジェクト「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/カーボンリサイクルLPG製造技術とプロセスの研究開発」(以下、「NEDO委託事業」)において、発電所等から排出された二酸化炭素を原料に使用するグリーンLPガス製造の研究開発を開始しました。このNEDO委託事業においては、LPガスを製造するための合成触媒技術(フィッシャー・トロプシュ合成)の開発、グリーンLPガスの製造工程の検討、社会実装モデルの検討の3点を主たる研究開発テーマとしており、日本製鉄株式会社と国立大学法人富山大学と共同で取り組んでいます。フィッシャー・トロプシュ合成では、炭素数C3・C4のLPガス成分のほか、C1メタンやC2エタン、C5以上の液体炭化水素等が連産品として生成されますが、社会実装モデルの検討の中で、これらの連産品の扱いについても検討していきます。

図:NEDO委託事業「カーボンリサイクルLPガス製造技術とプロセスの研究開発
図:NEDO委託事業「カーボンリサイクルLPガス製造技術とプロセスの研究開発

日本グリーンLPガス推進協議会について

2021年10月、当社は、アストモスエネルギー株式会社、ジクシス株式会社、株式会社ジャパンガスエナジー、岩谷産業株式会社と共に、一般社団法人「日本グリーンLPガス推進協議会」を設立しました。当協議会では、2つの方法によるグリーンLPガスの研究開発を推進しています。1つは、北九州市立大学と連携した水素と⼆酸化炭素からのLPガス合成技術、もう1つは、大手触媒メーカー等との共同研究であるバイオ原料によるDME合成を経由したLPガス製造技術ですが、後者はNEDO委託事業として取り組んでいます。

カーボンニュートラル政策におけるLPガスの位置づけ

LPガスはその「可搬性」「貯蔵の容易性」という特性から、平時ならびに緊急時の重要なエネルギー源と位置づけられています。

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成⻑戦略(2021年6月 閣議決定)

・LPガスは、2050年時点においても約6割の需要が維持される⾒込み。
・2030年までに合成技術を確⽴し、商用化を実現。
・2050年には需要の全量をグリーンLPガスに代替することを目指す。

第6次エネルギー基本計画(2021年10月 閣議決定)

・「最後の砦」として、平時のみならず緊急時のエネルギー供給に貢献する重要なエネルギー源。
・緊急時にも対応できるような、強靭な供給体制の確保が重要。
・脱炭素化に向け、バイオLPガスや合成LPガス等の研究開発や社会実装へ取り組みを後押しする。